偽デジタル写真屋日報@はてな保管庫

はてダ終了に合わせてログ移行させました。ところどころリンク先が死んでるかもしれませんが仕様です。

PENTAX 645Dを借りてきたよの巻


本日から新宿のペンタックスフォーラムにて645Dの写真展を開催するのと同時に2時間という制約つきながらボディとレンズを貸してくれるというイベントが行われていまして。丁度レンズ修理の上がりを受け取りに行く用事があったのでついでに借りて歩いてみました。

借りるのに必要なもの

本体を借りている間免許証などの本人確認書類をカウンターに預かってもらうという形をとるため身分証明は必須です。あとデータを持ち帰るためにはメディアを持ち込む必要があるためSDHCカードが必要になります。RAW(DNG)で撮影する場合4GBのメディアでも40枚少々しか撮れないため、できれば8GBや16GBのカードを持ち込むのがいいでしょう。
またがっちりと撮りたい場合自分の三脚を持ってくるといいですね。カウンターにも少し貸し出し三脚があったようですが全体の貸し出し台数を考えるとあまり当てにしちゃいけないような気が…。

どこに撮りに行けるか

2時間という時間内である程度撮るとなるとある程度行動予定を決めた方が良いです。特に電車を利用しようと考えた場合、ペンタックスフォーラムから新宿・西新宿・都庁前いずれも微妙に距離があるため電車に乗るまでの時間が馬鹿にならないんですよ。
また徒歩でうろつく場合も高層ビルエリアはたまに警備員さんに追われることがあります。なんせでけえカメラですし、三脚を使えないビルなどもありますし。一応センタービルについてはフォーラムさんから話がついているので説明すれば問題ないようですが、他のビルの敷地内で写真を撮る場合は要注意です。

こんなん借りました

ベタなんですけど本体と標準レンズのセットを。45mmと迷ったのですが、カメラの実力をみてみたいと思った場合やはり最新のレンズがよいかなあということで。あとDP2で慣れてる画角ということもありましたし。ちなみに300mmとかも希望すれば借りられますが果たしてどこで何撮るのよ問題が。

こんなとこに行きました

素直にビル群とか中央公園に行くのもなんだかなぁ、ということでとりあえず都庁のエレベーターで展望台に上がってみました。…うわ案外視程が悪いでやんの。全然遠景が狙えませんよとほほ。
しょうがないのですぐ切り上げて、その後西新宿の裏手の住宅街をぶらぶらと一回り。猫も狙ってみたんですけどこの炎天下じゃ出てきませんわなあ。

重くなかった?

確かに体積は大きいのですが、レンズが比較的小型なのと重量バランスがよいこともあってあまり負担になる感じはありませんでした。D3/EOS-1D系の方が逆に重く感じるかも。構えたときもグリップがよいこともあって案外楽でしたね。

操作感はどうだった?

でっけえK-7というかなんというか。最近のPENTAX一眼を使い慣れているならあまり違和感なく使えると思いますよ。中判だからどうこう、という操作感云々はあまりありませんね。ほんと35mm判ベースの一眼レフの感覚で使えます。
今回撮ったカットは縦位置が多かったのですが、縦で構えてもホールドが辛くなるといったことはほとんどありませんでした。長時間縦で撮ることがあるなら縦位置グリップも…という気になるのかもしれませんが、散歩ついでにぽつぽつ撮る程度であれば構えで疲労や不満を覚えることは*1無さそうです。
液晶は炎天下の昼でもちゃんと見えました。ただ軍艦部の液晶が角度によって見えにくかったですね。これって個体差かなあ。
また、背面液晶はコントラストが高めで特にシャドー側が潰れて見える傾向はありました。気になる人はヒストグラム併用で使う方がいいかもしれませんね。
そうそう、見え具合といえばちょっと引っかかったのがファインダー。倍率優先に作っているせいか、全画面をまんべんなく見渡せる角度に余裕がない感じ。たまに何度か覗き直して撮影するというシチュエーションがありました。自分のファインダーの覗き方に癖があるのかなとも思ったのですが、これまで触ってきたカメラであまりこういう思いをしたことがないんですよねえ…。

発熱とか

炎天下で使ってましたが本体の温度上昇やソフトの不安定さは感じませんでした。この辺は気候が厳しいところでも使えるように設計してるのが効いているのかも。

速度はどうよ?

さすがに容量が容量なので書き込みはちょっと時間かかります。バッファが利くから連写してもそれほどひどく待たされるというのはありませんけれど、プレビューを見ようとしてちょっと待つことが数回ありました。
AFはちょっとゆっくり。とはいえ中判一眼レフとして見た場合普通の速度です。AFの動作とミラー昇降・書き込み周りの速度感が35mm判一眼に慣れた人が一番引っかかるところかもしれませんね。特に普段秒5コマで連写、とかやってるような人とか。

手ぶれ関係

基準感度が200の上に炎天下の昼間で使ったため、だいたい1/250とか1/500という高速のシャッターが切れたのであまり不安感は感じませんでした。ただやはり1/100あたりから下を使うなら何かしらの支えは欲しいかなと思います。やっぱりピンぼけとか手ぶれとか目立ちやすいですから。標準より広いレンズでホールドがちゃんとしている人ならば1/250より速い速度で切ってる分にはあまりブレに悩むことはない気がしますけどねえ。

肝心の写りはどうなのよ

借りて一発目に撮ったカットで変な笑いが出ました。こりゃ確かにジャンル違いだわ。今使ってるK20Dと像の作り方そのもの*2はあまり変わっていないのですが、画素サイズとセンサーの差でえらくパワフルになってます。いじり応えがあるというか画素そのものに力があるというか。現像時にかなりラフな調整を行っても絵がなかなか破綻しないでついてくる感じは初めてかもしれません。デジタルバックとか使った経験がある人だとまた違う印象を持ちそうですけど、小型一眼レフから入った人だとこの絵はかなり強烈。
ローパスがないことの影響についてはカメラ内でうまく補完して影響を小さくしているな、という感想を持ちました。ただ影響が全然ないかというとそうでもなく、街中で人を撮ったカットの中でストライプのシャツの網目に軽くモアレが出てる例を発見しました。でもこれはしょうがないよなあ。
つー訳で以下何枚か貼ります。オリジナルサイズの画像は本当に馬鹿でっかいのでブラウザが落ちないことを祈ります。



Kodakのセンサーを使っているからなのかどうか分かりませんが、現像してるときにE-1をちょっと思い出しました。絵作りそのものは全然似てないのですが、色の厚さや一部の色の出方になんとなく近いものを感じることがあるんですよこの画像。

ちなみに現像の重さ加減ですが

30枚少々撮って、DNGそのものの容量は50〜80MBくらい。Phenom X3 8450e/メモリ8GBというちょっと前のPCを使いPhotoshop CS4で現像して1枚の現像に15〜16秒かかりました。i7やPhenomIIといった現行のPCにメモリを多めに載せて作業すれば現像そのものはそんな辛くないかなあ、という印象です。どちらかというとjpegtiffに起こした後の大量の画像を快適にセレクトできる環境を作るのが辛いかもしれませんねえ。

というわけで全体の感想

自分で買えるかつーと全然資金のアテが出てこない代物なので、まず素直に体験できる機会を得られたこと自体がありがたかったです。自分で使うことによって作例だけじゃ見えてこない部分を体感できるというのは大きいですから。
でもまあ大変なカメラというのは間違いないです。気の緩みがそのまんま絵に出てくるのはいいのか悪いのか。あ、でも逆に画素そのものに力があるんで多少ゆるい絵を撮ってもだいじょうぶっていう見方はできるのかな?贅沢すぎる使い方だって怒られそうだけど。
いやー、いい思いをさせてもらいました。時間に余裕があって少しでも興味を持っている方は大容量のメディアを持ってペンタックスフォーラムを訪問することをおすすめします。日曜まで開催されていますが、土日は混雑が予想されますのでお早めに。

*1:重量以外では

*2:解像度優先のベイヤー補完で全面かっちり解像させてくるような絵作り