偽デジタル写真屋日報@はてな保管庫

はてダ終了に合わせてログ移行させました。ところどころリンク先が死んでるかもしれませんが仕様です。

PhotoImagingEXPO2005レポート

これまでフォトエキスポ・IPPF・ラボシステムショーとして開催されていた写真関連のイベントが、今年から「フォトイメージングエキスポ」としてまとめてビッグサイトで開催されることとなりました。ラボショーとIPPFは毎年暇があれば見に行っていた(フォトエキスポは内容の割に混雑がきついので回避していた)ので今年も仕事の合間(実際は全然合間じゃない説あり)に有明まで出掛けてきました。

今回の目玉って何よ

従来の3イベントがひとつにまとまることによって「写真というジャンル全体のショー」という性格が強まったせいか、デジカメの新製品をがーっと並べて終わりでなく「撮ったものをどう利用するか」っていう方面への提案型展示が盛り上がっていましたね。特にフォトダイレクトプリンターやデジタルミニラボ関連の「パソコンはよく分からないけれどデジカメから綺麗な写真が欲しい」ニーズに応えるためのデモはかなり力が入ってるように見えました。
まあ意地悪な見方をすると「カメラ単体じゃ商売にならないからプリント関連の消耗品で稼ぐ方向にしたい」といった書かれ方をされそうな雰囲気ですが、でもやっぱり写真って撮ってちょっと眺めて終了っていうのでは勿体ないものがありますからねえ。

銀塩カメラ方面

F6にくらくら。以上(えー)。

デジカメ方面

デジタル一眼関連は相変わらずの盛り上がり。しかし正直デジタル一眼は自分にあまり縁がないので(貧乏ですから!)ざーっと眺めて終了という感じ。
印象に残ったカメラとしてはコンパクト系ではEXILIM EX-P505(笑ってしまうくらい小さい。なんとなくQV回転レンズ系を思い出させる筐体は小物として面白い)とXacti C5(筐体変更によりかなり持った印象が変わった。スリム!)の動画デジカメ系、レンズ交換系では今さらながらにR-D1(35mmのビオゴン付きを触ったんですが、やっぱりこいつの階調の滑らかさはぞくぞくします)といったところでしょうか。
あとこれはいまいちかなぁと思ったのはKiss DIGITAL NとCyberShot T7。KissDNは初代の弱点がきっちり潰されてて良く出来てるし筐体のチャチさ加減も軽減されてるんですが、どうも持っててぐっと来る部分がないのがいまいち。なんか「撮らされてる感」が強いんですよねこれ。まあ「考えなくてもそこそこ綺麗に撮れるカメラ」という性格からすればこういう印象になるのも当たり前という部分はありますが。
CyberShot T7は…なんだろうなぁこれ(苦笑)。もうこれはカメラじゃない何かを目指してるんですかねえ。「とにかく薄くすることだけにこだわりました。あとは何も考えてません」つー造りは工業製品としては面白かったですけどそれ以上は何も感じるところがありませんでした。

レンズ方面

コシナイコンもといツァイスイコン一式とシグマの30/1.4にくらくらしました。特に30/1.4はシグマに見えないくらい(失礼)やる気に満ちた品です。標準単焦点なのにバヨネット式フードが使えるあたりも(まだフードは完成していないそうですが)なかなか。標準好きなデジタル一眼ユーザーは期待していいと思いますよ。

インクジェット方面

会場の広さに負けてあまりチェックしきれなかったです。何か所か見たところではインクジェット用のアーカイバル用紙がぼちぼち充実し始めてるのかなぁ?という印象。
面白かったのはエーワンのマットフィルム。半透明なインクジェット用フィルムで、裏に光源を置いて展示するとちょっとお洒落な雰囲気が出ていい感じでした。前はインクジェット用のフィルム系素材ってインクが定着し辛くて扱いにくい印象を持っていたんですけど、インクもフィルムもかなり進化しているので今は実用になる、との話です。

その他プリンタ方面

PictBridgeダイレクトプリントやEasyShareってもっと普及してもいいんじゃないですかねえ。店頭にただ置いてあるだけだと全然ピンと来ないかもしれませんが、撮ってプリントするところまでを実際体験するとかなり楽しいですよ。
そうそう、EasyShareプリンタってシステムとして良く出来てます。Kodakのデジカメを買うならプリンターセットじゃないと楽しさ半減と言ってもいいかもしれません。

スキャナ方面

FLEXTIGHTの現物を初めて見ることが出来て感動。しかし馬鹿でかいですよこれ!

ラボ方面

ミニラボ機を扱う各社がセルフ注文端末のデモを兼ねてプリントサービスを行っていました。特に「これは!」と思ったのはコダックのブースにあったノーリツの注文端末。枚数指定だけでなくトリミングや簡易的な濃度/色補正まで端末上で行えるのは驚きましたね。このシステム近所に入らないかなぁ…。
各社を眺めていて思ったのは効率良いフィルムのプリントよりも効率良いデジタルデータのプリントをより行いやすくする方向にシステムが向いてきているなぁ、ということ。ここ数年デジカメプリント方面へじわじわシフトしてきていましたが、今年の展示を見ていると完全に方向が固まったというような印象を受けましたね。安い機材じゃないしすぐに総取り替えということはないにしても、2〜3年くらいするとミニラボというジャンルが今と全然違うものになっているかもしれません。
プリント関連と言えばアグフアのブースにあった「アルバムプリント」は面白かったです。要は「アルバムに一枚ずつ写真を入れるのが面倒ならアルバムの1ページ分を丸ごとレイアウトしたものをプリントして、アルバム用の穴を開けてしまえ」代物。これは現物を見ると目からウロコが落ちますよ。

結論

「モニタで見るだけが写真じゃないよ」というアピールを強く感じた展示会でした。ここ数年のショーの停滞っぷりを眺めていて不安を抱えてましたが、今年はちょっと明るいものが見えたかな?という気分になれたので見に行った価値ありと言えますね。頑張れ写真屋さん。

余談

コニカミノルタのブースで「2人掛けシートでコンパニオンさんのマンツーマン商品解説」みたいなのをやってたんですが、そこの一角だけキャバクラっぽい空気が流れててなんとも怪しかったです。どこへ行くつもりだコニカミノルタ