偽デジタル写真屋日報@はてな保管庫

はてダ終了に合わせてログ移行させました。ところどころリンク先が死んでるかもしれませんが仕様です。

Kodakちゃんが瀕死なところに日経が後ろから火をつけやがった件を書いていたらChapter11申請の報が流れた件

とまあそんなわけで出遅れ感がとても高い記事になってしまってさめざめと泣いているんですが。

ことの始まりとか今月入ってからのこととか

昨年後半あたりからKodakの株価が下がり放題ですっかり投資家のおもちゃ状態になっておりまして。$1前後をふらふらしたりとかどこの山水電気株ですか、みたいな。
で、フィルム値上げの話もあるし少し買いだめするかなーと考えてたらこんなニュースリリースが流れました。
Kodak Creates New Business Structure to Accelerate Digital Transformation
要は組織再編するから法人向けと個人向け部門に事業を集約してフィルム部門の名称はなくなるよ(写真フィルム関連の部署を再編成するよ)。まあ以前ほどフィルムを前面に出して商売してる訳でもないししょうがないよね、と受け取れる内容の記事ではあります。
しかしこれが日経の手に掛かるとこうなるわけで。
米コダック、フィルム部門が消滅 組織改革を発表

映像機器大手イーストマン・コダックは10日、現在3つある事業部門を2つに集約したと発表した。傘下の事業は「法人向け」と「消費者向け」の2つの部門に分割。100年以上にわたり、同社の主軸を担ってきた「フィルム部門」は消滅した。

待て待て待て、なんだその業務ごと消滅したみたいにも読める書き方は。そりゃ終わったことにしたい投資家や経営陣が山ほどいること自体は否定しないがもう少し翻訳の仕方があるだろう日経よ。ていうかこの記事読んでフィルムの思い出話とか始める写真家とかまでいるぞマジ勘弁してくれっていうか勝手に終わらせないでくれこちとらまだフィルム使ってるんだから。

…と数日前にこの辺まで書いたところでデータふっ飛ばしてふてくされてたらきょういよいよChapter11ですよまったくもー。とりあえずシティからの融資が*1出てるようなのですぐどうこうってこたぁないと思いますが今後の報道でいろいろあることないこと書かれそうなんでいまのうち釘さしときます。

Kodakについてはっきりしていることを箇条書きで

  • フィルムが即入手不可能になるつーことはありませんし入手もできます。来月から一部製品が値上げするけれど。
  • 事業部門が集約されて個人向け・法人向けに分かれたけれどフィルム系部署はそれぞれ配分されて当面は生き残るのでなかったことにしないように。
  • 飛んだのはアメリカ法人だけで海外の拠点はとりあえずまだどうにかなっております。
  • つか公式にChapter11関連のFAQが出てるから英語読めるならまずはそっちを読みやがってください。
  • 一部報道で「デジタル化に乗り遅れた」みたいな寝言書いてる新聞屋はそこに正座してください。民生用デジカメの大半で使われてるベイヤー配列はKodakの開発者が作った訳だし、センサー系にしても画像処理系にしてもKodakがいなかったら進んでなかった技術は山ほどありますぜほんと。

以上。

これからフィルム愛好家がすべきこと

写真愛好者でなおかつフィルム主体の人が今できることは淡々と継続して材料を買ったり現像に出すこと(買いだめして冷蔵庫に放置するくらいなら撮ってまた買ってきたほうがいい)。そして「ああ、フィルムねえ。あれよかったよねえ」とか勝手に思い出話するおっさんどもを張り倒してまだ使ってることをアピールすること。特に後者が重要。
以前のコニカミノルタ写真事業撤退のときやコダクローム終了のときに「ああ、フィルムもとうとう終わったんだねえ」みたいな思い出話した人が山ほどいて閉口したもんですが、今回も恐らく同じようなことをいう人は山ほど出てきますよね。
何が困るかっていうとそういう人に限って半端に声がでかくて影響力あったりするんですよ。で、実際その声によって銀塩写真の市場の縮小が加速されていく。これ、ほんとに洒落にならないっすよ。
縮小はもう止められないとはいえ、勝手に終わったことにされて縮小ペースを早められるのだけはせめて抵抗しておきましょうよ。たとえ気休めだろうと焼け石に熱湯だろうと。

*1:シティかよ…とちょっと思ったのは秘密