偽デジタル写真屋日報@はてな保管庫

はてダ終了に合わせてログ移行させました。ところどころリンク先が死んでるかもしれませんが仕様です。

そろそろカラーマネージメントツールについてひとこと言っておくか

三菱やナナオから低価格なモニタ調整製品が出てきてますね。こんなん。

とりあえず両方とも窓から投げ捨てていい製品だと思います。
どっちがマシかと言えばまだEIZOの方が罪は軽いかなあ。Spyder互換と思われる測色センサーが装備されているので、単に色温度だけ合わせるような用途であればそこそこは使い物になるんじゃなかろうかと。ただしプリンタとのマッチング用途は気休めというかうっかりすると傷口を広げることにもなりかねないのでお勧めしません。
三菱の方はもう論外。目視で調整させるツールにカラーマネージメントを名乗らせちゃ駄目だろ常識的に考えて。
以下なんで目視が絡むといかんのかってことをざっと。

訓練が必要な上、訓練しても個人ごとに判断基準がズレる

大前提として「自分の中にある程度信頼できるグレーバランスの感覚」を持ってないとどんだけ調整してもまともな結果は期待できないですし、さらに複数台調整しようとしたら何日頑張ったって一定ラインに揃えるのは無理です。

調整者の体調や疲労度合によって仕上がりがバラける

朝調整するか夜調整するかによっても全然違う感覚になりますし、仕事後なんぞにやろうとしたら目が疲れてそもそも調整なんざできたもんじゃありません。

つーわけで

いやもうとにかく目視がアテになるという前提が大間違いというのはいい加減共有されていい概念だと思うんですよ。この辺はうっかりすると古いマカーの方がタチが悪くて、「うち?うちは昔からAdobeGammaで問題なく調整できましたよ?」とか言い出して挙句の果てに調整のおかしいデータを作りかねない。「OSXならMac純正のツールで調整できるよ!」なんて人も出てくるでしょうが、正直言ってあれをちゃんと調整できる目を持ってる人がどれだけいるのやら。あたしだってあれで調整しろって言われたら謝りますよ。

拝啓Apple

OSX純正のモニタ調整ツールのリニューアルないし廃止を要求したく思います。あれでまともにモニタ調整できてる人なんていないんじゃなかろか。

ところで測色器てアテになるのん?

目より100倍マシです。

なんで値段がピンキリなのん?

純粋にセンサーの値段の差です。高い方は分光測色器つってプリズムが入ってたりするんでどうしてもコストがかかるんですね。

高いセンサーの方がいいの?

もしお金を貰う仕事をしてるんであればできるだけ高いセンサーを買っておいた方がいいでしょう。色に関する揉め事が起きたときの言い訳代と考えればそれほど高くないのでは(ぇー
あとi1についで言えば高いセットは後でアップグレードが利くメリットもありますな。
でもまーあれだ、最終出力がインクジェットプリントで済む人であればフィルタタイプの安いセンサー(Spyder/i1 Display)で十分使いものになります。Hueyはどうなんだろうなあ、あれは結局後で高いのを買うことになることが予想されるんでなんとも。

そういやcolormunkiてどうなのさ

商業写真を撮るプロ以外であれば割といいプロダクトだと思ってます。一応分光センサー使ってるみたいだし、プリンタ調整のフローもよく考えられてる。
ただ自分とこの出力環境で完結しない人だとちょっと運用が難しくなる可能性はありますよね。半端にいい値段なのでちゃんとペイできるかどうかはしっかり検討することをお薦め。