Photo Imaging EXPO 2006レポート
昨年から始まった大規模写真イベントであるところのPIE2006。最終日の午後にどうにか予定がつけられたのでひととおり見てきました。以下感想などをまとめますが長くなるんで続きを読む記法のお世話になります。
注意書き
コンパニオン写真は一切ありません。あとカメラについては全くチェックを入れていません(イベントよりもショールームや販売店で直接見た方がゆっくり見られるので)。重点的に見てきたのは入出力関連についての展示とRAWワークフロー関連・CMS関連です。
なので、カメコ的興味や純粋カメラオタの方には全然嬉しくない内容となってますが、検索かなにかでついうっかり見に来てしまったとしたらついでですのでご覧になっていただければ幸い。
Nikon Capture NX
NikonCaptureの後継ソフト。デモがあるかなーと思って見に来たんですけど、寄ったときにはCapture4のデモをやっていて見られませんでした。残念。
TAMRON 17-50mm F2.8
丁度タイミング良くいじれたので少しチェック。ワイド端の歪みは思ったよりないかなーという印象。レンズ単品を見ると大きく感じますが、カメラに装着すると軽快に振り回せるので重量バランスがいいのかもしれません。良作。
HP PhotoSmart Pro B9180
HPの夏前に出る顔料A3ノビ機。HPのプリンタって販売店では突っ込んだ質問がし辛いし、かと言ってショールームに行くと大判インクジェットしかなかったりとなかなか切ない状態なのでこういうところでないと情報が分からないんですよね。
- 現物。でかいです。
- 厚紙も前面給紙できるので使い勝手が良さそうではあるのですが、一度奥まで紙を送ってから印刷を始める仕様なので設置にある程度の奥行きが必要となります。要注意。
- 出力品質は良好。光沢紙に黒白印刷をするとやや青いかな*1?って気はしますが、マット系への出力に関してはPX-5500に負けず劣らずといった雰囲気で好感。
- インクカートリッジの容量については20ml後半とのこと*2。PX-5500比で3倍弱といったあたりでしょうか?1本あたりの単価もその分上がりますが、EPSONの残量警告が早めに出る傾向なんかを考えると印刷コストはあまり変わらないような予感。
- セルフキャリブレート機構を内蔵しているということでしたが、純正紙以外へのキャリブレートについては不明でした。もし純正紙以外でもキャリブレートが行えるような仕様だとすると魅力5割増なんですが>HP関係者の方。
- 余談。純正ファインアート紙としてHP Hahnemuhle(ハーネミューレ) Smooth Fine Art Paperってのがあったんですけど、なんかEPSONで出してる奴と同じような手触りでした。なんとなく製造元は一緒なんじゃないかという気が以下略。
- ということで、PX-5500対抗プリンタとして割と興味が出てきましたよ。
用紙関係
PCM竹尾のマット系の紙がいい感じでした。あとILFORDのインクジェット紙ってベースはRC印画紙のそれと同等なんですね。光沢紙の光沢感と微粒面(Pearlって呼ばれてる奴)の表面仕上げが非常に懐しく感じられて好感。
もう一種類興味を持ったのがオリエンタルのFBペーパー。これバライタベースなんですよね。なんで安定まで時間がかかりそうではありますが、染料プリンタと組み合わせて使うと良さそうな雰囲気がします。
Panasonic LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm/F2.8-3.5 ASPH
ケース内の展示のみなんで重さとか手触りまでは分からず。ただ「大きいけど辛い大きさではないかな」という印象でしたねー。とりあえず見るだけの状態なんで期待して待ち。
Gretag Macbeth Huey
デモ機があったのでひととおり測定が終わるまでのデモを見せてもらいましたよ。感想としては「値段なりな部分は残るもののソツなくまとまってる製品。i1系とは異質ながらこれはこれでアリ」という感じでしょうか。
ソフトウェアがi1 Matchと違う部分としては「目標をあらかじめ設定し、目標設定値に向けてハードウェアの設定を詰めていく」i1 Matchに対し「環境光を読んでその環境光に合わせた設定を自動で済ませてしまい、その設定した状態から目標とする設定値にソフトウェアが設定を調整していく」Hueyという感じ。なので、数字を追いつつ厳密に管理し続けたいという人にはHueyは向かないかなぁ、という印象を受けました。
かと言ってHueyがダメダメかというとそういう訳でもなく、「モニタ調整に自信がないので機械に任せてしまいたい」というような人や「ロケ先の環境光に合わせてノートPCのモニタ調整を半自動でやって欲しい」みたいな人にはかなりいい商品と言えます。要は使い分けの問題じゃないかと思うのですが、このあたりの設計思想は従来のモニタキャリブレータとはかなり性格が違うので評価が分かれるかも。
Apple Apature・Adobe Lightroom
初めてデモを見ましたが、両者ともに撮影する人のことを考えていろいろ工夫してるんだなぁ、と思わされました。とりあえずD2XのRAWをさくさくと展開するApatureは大したものです*3。ただしApple的というかなんというか、現像設定をホームのLibrary以下にデータベースを作って貯め込んでいくタイプなのが個人的にイマイチ。まあデータベースを丸ごとバックアップできて楽という考えも分からないではないですが、あたしゃAdobeみたいにファイル別にxmpで情報を保存するタイプの方が好みです。
なお、Lightroomはβ版入りCDを貰ってきたので後でじっくりいじってみる予定です。デモを見る限りまだちょっと詰めが甘そうな印象がありますが、RAWの閲覧・管理だけに的を絞って見ればそこそこ楽しそうなソフトという雰囲気があります。まーあたしがAdobe慣れしてるので分かりやすかった、というオチもありそうですけど。
FUJI PROVIA 400X
微粒子ですげー。以上。
いやいいフィルムだとは思うんですがフジクローム系の色がそもそも好きじゃないんで関心持てませんすいません。
とりあえず安望遠ズームで風景写真撮りたい人にゃいいんじゃないですかねー。絞りを稼げるし。
その他気になったもの
- GT-X900のキャリアを単品売りしないのー?って聞いたんですが素気ない返事で萎え。サービスから直接取り寄せるぞゴルァ。
- 大判レーザー出力機って地味に世代が進んできてるなぁと思いました。実はDurstの奴ってもう3世代か4世代目くらいに入ってたりしません?
- Kodak/FUJIのブースをほぼ素通りしてしまったせいもあるんでしょうが、写真サービス系の展示がいまいちパッとしなかったような。
現地で撮った写真の一部
何故かやってたマジレンジャーショーの皆さん
TAMRONの新レンズ
HP B9180
インクカートリッジの写真。A3ノビ機用としてはやや大きめ
Panasonic LEICA D VARIO-ELMARIT 14-50mm/F2.8-3.5 ASPH。でかい!
Gretag Macbeth Huey。手に取ると笑ってしまうくらい小型
感想
- 日曜に行った割にはそんなに混んでるという印象は受けませんでした。大丈夫か写真業界。
- 展示は予想外に充実。有明に引っ越してから各社頑張ってるなぁという印象はありますね。
- ただ元ラボショー筋やIPPF筋の小さい業者さんのスペースにお客さんが回ってないのが気がかりでした。誘導や配置なんかは頑張ってるんですけどねえ。